思えば始まりは3月22日の「1日ロックダウン」。
「今日1日だけ、インド全土でロックダウンします!これは、どれだけ国民がコロナウイルス撲滅に協力できるのかのテストです!パニックして買い込まなくても大丈夫だから!」
そう宣言されていきなり始まった、世界最大の13億人ロックダウン。1日で終わるわけもなく、その日の夕方に延長が発表される。いつのまにかナンバリングされて、ロックダウン4.0まで10週間続いた。ナンバーがつくとみんながんばれるって思うのかな。インド政府、よくも悪くも調子にのりやすいインド人をわかってるなと思う。
カタカナでなんとなく「やってる感」を出すどこかの知事みたいだなと思う。東京アラートもロードマップも、東京の母はちんぷんかんぷんだよ。
もとい。
ロックダウンがスタートしてからもインド全体のコロナウィルス感染者はどんどん増えていって、6月6日現在、インドのコロナウィルス感染確認者は、230014 名(内死亡者数6642名)23万人を超えた。数字を見ると確かにすごいけど、何度も言うけどインドは大きくて(日本の約8倍)13億人もいるのでインドひとまとめにして語れない。
6月頭からはインド全土ロックダウン5.0 かと思いきや、インド政府の発表によると、デリーやムンバイなど、都市部を中心とした感染集中地域を除いて3段階に分けてロックダウンを解除していくことになる。ゴアは、感染を抑えられている地域として、ロックダウン解除の対象になる。
とりあえず具体的にわかっているのは、第一段階で、6月8日にレストラン・宗教施設・ショッピングモールとホテルが再開すること。学校スタートは第二段階で、7月中らしい。第三段階になってやっと国際線が動き出して、映画館もオープンする予定。とはいえ、第三段階の日程は未定。
5月末に1日8000人もの感染者が確認されたインドは、感染者の増加スピードは加速するばかりでまだ収束とは呼べる状態ではないのだけどなにせ人口13億人の国。これだけの規模の経済がストップしてしまうのはさすがにまずい(とっくにまずいよ)と判断して、リスクを承知で経済再開する方向にいったとしか思えない。特に都市部は、ロックダウンが始まってから、仕事も家も失った貧困層が何百キロも離れた故郷まで、水も食べ物もないまま歩き続けて途中で力尽きてしまうニュースがあとをたたない。
単純に考えれば、この感染者増加スピードのままロックダウンを局地的であれ解除すれば、どこかの時点で感染者は増えないわけがない。段階的にロックダウンを解除されると言ったものの、どういう日程で段階をふむか、言及できないのも無理はない。
というわけで、インドはまだ、国際線はスタートしていない。臨時便はちょくちょくインドから日本まで飛んでいる。どうしても日本に帰りたい人は、超高価な片道切符で飛んでいる。
ゴアからは日本まで飛んでいないけど5月後半に、インドの国内線が本数を減らして飛び始めたので、前よりも日本までのフライトが現実味を帯びている。
私にとっては、ゴアで迎える初めてのモンスーンになりそう。東京にいるよりは、ゴアのほうが安全。ロックダウン、田舎にいるか都市部にいるかで状況は大違いなのね。ゴアは観光地とはいっても、シーズン(日本の冬)が終わってしまえば田舎の漁村みたいなもん。そのうえ今はインド人観光客もいないので、閑散としたジャングルと畑と海。
つい昨日まで、サイクロンが来ていた。その前まで、みんな半裸でウロウロしている蒸し暑さだったけど一気に気温が下がった。日本にくると、サイクロンじゃなくて台風と呼ばれる。アメリカだとハリケーン。なんと、この名前の違いは、場所によるものなんだって。今更だけどありがとうグーグル先生。おかげさまで、こちらは「やばい突然の大雨」が長時間降ったけど家の中にいれば安全なレベルで過ぎてくれた。
つかの間の晴れ間のあと、もうモンスーンスタートまで秒読み。交通量が減ったので、ほこりも減って、全ての植物の緑が濃くなっている気がする。最近、家の隣の木にほたるがたくさんくるようになった。まるでほたるの成る木だ。
モンスーンの時期にゴアにいる人は口を揃えて「モンスーンが素晴らしい」というので一回その時期にゴアにいたいなあと思っていたけどこんなかたちで実現するとはね。
雨が降り始めたら、こもってできるプロジェクトは山ほどある。おかげさまで雨にも負けない快適な家もある。日本はまだ噂のマスクを配り終えてないんだってね。規制をとおりこして支配されちゃってるメディアとか、国民のためによかれと始まったはずのコロナウィルスの対策もふたをあければ、どうやらおかしな所にお金が流れてる。もう、言い出せばキリがないもんね。安っぽい映画みたいな展開で、ちょっと可笑しくなってくる。とはいえ自分の国なんで笑ってはいられないんだけど。