「どれがパワーストーンですか」
と聞かれることがある。
「全部です(にっこり)」
と答えることにしている。
天然石のジュエリーを作っているのだから
販売する時に、石のパワーにもっと特化したアプローチを
しないのかとよく言われる。
正直に言うと、
必ずしもそこを重要視していない。
でも、だからと言って
決して石のパワーを否定していないのは強調したい。
石のパワーの話は山のようにある。
目に見えない世界のことは、絶対ないともあるとも言えなくて
どの話も否定できない。
「ない」ことの証明は不可能なのだ。
インド生活が長くなり、石に関わる時間が
長くなるのはもちろん、
石に関わる人にたくさん関わっている。
本当にいろんな立ち位置の人がいて
石の「パワー」を「販促ツール」と割り切っている人もいれば
石に全ての望みを託している人もいる。
16年前、インドで宝石の鑑別の学校に行った。
宝石学の先生たちに、
石のパワーについての質問をするのはご法度だった。
先生は当時3人いて
特に一番若かった男の先生は
どちらかというと「厳しい自分に酔っている」
ような厳しい先生で、その作ったげな厳しさが
コミカルに見えてしまうことが多々あった。
一言でもヒーリングがどうとか言おうものなら
にこりともせずに
ギロっとにらみ返し「はい、次の質問は?」
と、どっかの政治家みたいなリアクションをしていた。
でもですね、インドにはインド占星術があって
インド占星術は宝石と密接に関係しているのですよ。
自分の生まれたチャート(生年月日と生まれた場所によって導き出される星の位置)によって
何曜日の何時くらいに、
どこどこの指に
何カラット以上の
何の石を着けるように指示される。
ヒーリングの話は一切しないといいつつ、
珊瑚の金のリングをしてますよね先生!
それって100%、インド占星術師に着けるように言われて
つけてるリングですよね!
と突っ込みたい。突っ込みたいが
そんなこと言ったら最後
鬼軍曹(先生)に教室を追い出されそうなので
もちろんそこはスルー。
先生たちもスタッフも、ほとんど石のリングをしていた。
日本人の「特に宗教心はないけど、数珠は一応持ってます」
みたいなもんかと思ってみるが
全く信じていない訳でもないらしい。
その石を身につけないと悪いことが起こる、
と言われてリングを着けてる訳ではないのだ。
どこかで心の拠り所になっている。
私は、宝石学という学問を通して石を学んだけど
石の成り立ちの神秘に
鳥肌が立つくらい感動した。
科学や化学の世界で人間ができることは
すでにある法則を「発見」するしかない。
「誰」がその法則を作ったか、と言うのは
永遠の謎なのだ。
そんな石たちに何もパワーがないことはないと思ってる。
ただ、石に全てを委ねるのなら、
特に私がお手伝いしなくてもいい。
直感で惹かれた石に
自分をちょっとだけ後押ししてもらうのでちょうどいい。
それくらいのスタンスがいいなあ。
直感重視で選んだ石を後で「答え合わせ」してみて
なるほどと響くところがあって
持っていることが嬉しくなる、というパターンを
お勧めしている。実際そういうパターンがいちばん多いし
私の立ち位置はそういうところでいい。
そういう訳で、ぜーんぶパワーストーンです。
大丈夫、石も人を選ぶのです。
ちょっと違う石は、きっと選ばないから大丈夫。
インドの宝石学の学校での濃い石漬けの日々も
少しずつシェアしていこうかな。
Shanti Riot 8月出店
8月7日(土)8日(日)静岡県・下田 Happy Buddha 11時くらいから日没まで